手摺を取り付けるために、壁の構造を知ろう!
手すりをつける壁の構造 | |||
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ご自宅の壁が何で出来ているかご存じでしょうか。 「壁紙が貼ってある」程度はわかると思いますが、 手すりをつける場合、肝心なのはその下地。 石こうボードは、下地で良く使われる材料で、 壁紙(クロス貼り)で仕上げます。 残念ながら、この石こうボード、 それだけでは手すりがもちません。 ネジで留めようとしても、中の石膏が崩れ、カラ廻りします。 手すりを取り付ける為には、 石こうボードの裏にある柱や間柱を利用します。 柱・間柱は必ず壁裏側に縦方向に入っています。 (入ってないと壁が作れません!) 石こうボード壁の柱・間柱の見つけ方ですが、 ・緑色の工具、下地探し「どこ太」は、 手すり取付業者の必需品です。 押すと出てくる針は、石こうボードは貫通し、 木材に当ると止まるので、刺した感触で 柱を見つけることができます。 ・音の変化でも大まかにわかるので、 手でコツコツ叩いてみましょう。 ・コンセントボックスを外すと、中の構造がわかります。 メジャーを突っ込めば、隣の間柱位置がわかります。 手すりをつけたい場所に間柱がない! 木摺り(横桟)があり、柱・間柱が遠い! そんな場合は補強板を使用しましょう。 くれぐれもボードアンカーなどは使わないように。 手すりは身体を支えるものなので、 しっかりと固定しましょう | |||
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日本の伝統的な家屋の壁です。 柱が見えてるので、つけやすそうですが、 実は難しい壁です。 と言うのも、 柱と柱の間の塗り壁部分は手すりが直接つけられません。 漆喰、ジュラク、土壁… 真壁材にはいろんな仕上げ方がありますが、 補強板をしっかりと固定した上に手すりをつける必要があります。 補強板をつける場合は、両端は柱に、 中間は間柱にしっかリととめます。 間柱の探し方は、補強板で隠れる範囲で ネジをブスブスさして間柱を探します。 だいたい感触でわかります。 多くの木製手すり棒は、 910mm(3尺)以内に金具が必要です。 金具と金具の距離がそれ以上離れると、 棒がしなってきます。 柱と柱の距離が910mmなら、取り付けは簡単です。 ドライバーがあれば誰でも取付られます。 また、縦手すりも簡単に取付られます。 しかし、1820mm(一間)離れる場合は、 補強板が必要で、取付はそれなりに大変です。 できる所は自分でつけて、 できない所は工務店にお願いするといいでしょう。 | |||
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化粧ベニヤ(合板)の壁材は 最近の新築では、ほとんど見られなくなりましたが、 築20年、30年の家では良く見かけます。 板張りの洋風な壁に仕上がりますが、 実際は、厚み4mm程度のベニヤ板に 木目調の印刷をしたプリント合板です。 薄いので、壁を押すとペコペコします。 間柱だけでは強度不足なので、横胴縁という 細長い横板を一尺(303mm)間隔で間柱に取付て、 その上に化粧ベニヤを貼っています。 間柱・横胴縁があるところは、押してもペコペコしません。 ペコペコしない所は下地があるので、取付ネジがとまります。 (釘のあとがあれば、下地を見つけるヒントになります。) 手すりは、間柱に取り付ける。 または、 補強板を間柱や横胴縁にしっかりと固定した上で、 手すりをつけましょう。 注意! 下地の無い場所に手すりをつけると グラツキ、ガタツキの原因になります。 下地の位置をしっかり確認して 手すりを取付ましょう。 | |||
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最近のハウスメーカー住宅の多くは、 ユニットバスを採用していますが、 在来の戸建て住宅は、まだまだ タイル貼りの浴室が多くあります。 タイル貼りだから手すりがつかないと思っている方も 少なくありません。 実際は、そんなことはなく、 柱を気にせず自由な位置につけられるので、 逆に、つけやすい壁でもあります。 下穴開け→樹脂プラグ挿入→手すりをネジでとめる→終了! ネジをとめる前に、防水のために 必ずシリコーンを塗布します。 下地モルタルの上に、タイルが貼ってあります。 下地モルタルの厚みが2、3cmはあるはずなので そこで手すりを支えることになります。 こんな事に注意! ・積み上げ工法のタイル壁 古い家に見られるタイルの貼り方ですが、 別名「団子貼り」といい、タイル一枚一枚に 団子状にモルタルを盛って貼って行く方法です。 モルタルが十分に充填されず、部分的に空洞があるので 要注意! 普通のタイル壁と見分けるのは簡単で、 見切り部分に竹割りタイルを使用しています。 ・水道に注意! 水栓金具がついている面は、壁の中に水道管が通っている 可能性があります。 通常は、下から立ち上げていますが、まれに2つの 水栓金具を上でつなげている場合があるので 要注意!です。 ・もともとヒビが入っていたり、叩くとパカパカ音がする タイル壁への手すり取付は避けましょう! | |||
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手すりの取付で一番難しい壁は、 実は、鉄筋コンクリート造のマンションなんです。 マンションの壁の構造は お隣さんとの境界壁は、鉄筋コンクリートの躯体に 直接壁紙を貼るか、もしくは、 GLボンドで石こうボードを貼ってから壁紙を貼ります。 GLボンド工法の場合、団子状のボンドが200~300ミリぐらいの 間隔で入っているので、叩くと硬い音がします。 それ以外は空洞なので、ポコポコ音がします。 この様な壁に手すりをつける場合は、必ず補強板を しっかり固定した上に、手すりを取付ます。 補強板は、GLボンド部分をねらって、樹脂プラグとネジで とめます。十分な固定が出来ない場合もあるので、 必ず板の裏にボンドを塗って接着もしましょう。 コンクリートの躯体は共有部分になるので、下穴を開けては いけない場所になります。 部屋どうしの仕切り壁は、間柱に石こうボードを貼った 構造になっています。 最近のマンションの間柱は、木製よりも、 軽量鉄骨のスタッドを使うことが増えています。 スタッドの位置は磁石をあてると、すぐに分かります。 300ミリ間隔で入っている場合が多く、そのスタッドを 狙って、補強板を固定して手すりを取付ます。 マンションは、あると思った所に下地が無かったり、 工事中に予想外の出来事が多いので気を付けましょう! また、最近のマンションは、将来、手すりをつけやすい ように廊下の壁に帯状に下地補強をしています。 その場合は、電動ドライバーがあれば、誰でも簡単につけられます。 マンションにお住まいの方はこの機会に、 壁がどんな構造になっているか、調べてみてはどうでしょうか。 ユニットバス天井の点検口から覗けばわかりますよ! | |||
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ユニットバスは、1964年、東京オリンピックを控え、 急ピッチで進められていたホテルニューオータニの建設で、 はじめて考案されたそうです。 主に開発に携わったのは日立化成工業(現:ハウステック)と、 東洋陶器(現:TOTO)の2社。 ユニットバスとは、 工場であらかじめ天井・浴槽・床・壁などを成型しておき、 現場に搬入した後にそれらを組み立てる浴室の事です。 (ウィキペディアから引用) 見分けるのは簡単で、 天井に点検口があればユニットバスです。 ユニットバスの壁に手すりがつくかどうかは 一慨に判断できません。 と言うのも、メーカーによってその作りはさまざま。 FRP、プラスチック、タイル、ホーローなど… 壁に使われる材料はいろいろあります。 TOTOからユニットバス用の後付け手すり商品が出ており、 現在売り出されている一般住宅用TOTO製ユニットバスには 簡単に取付が出来ます。 リフォームや新築でユニットバスを設置する際に、 手すりの位置や長さは、 見積段階で決めてしまいます。 しかし、高齢者のための介護リフォームとして ユニットバスを設置する場合は、 あえて手すり無しで設置し、 一度入浴して、利用される方と介護者の 動作確認をした上で、取付位置を決めると より有効に使える手すり取付ができるでしょう! ちなみに、 ユニットバス設置工事中につける「ユニットバス用手すり」 に対して、 既存のユニットバスに後からつける手すりを 「ユニットバス後付け手すり」と言います。 | |||